その他

お福分けコーナーは「情報」。

こちらでは、読む人各々の、生活スキルや、人生を前に進めていく、「ヒント」となりそうなものを挙げています。

 

 

 

 

◎自分にはない性質を理解する

https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20240508-OYT8T50041/

 

ビジュアルシンカーという書籍を引用しながら、口が立つ人間が社会でもてはやされる、という世間一般の現象は、人間理解において多様性という視座が導入されつつある時流のなか、本質的にとてもおかしい。

という、至極当たり前のことが、たいへん受け取りやすい文章で書かれています。

なにが好ましいといって、自分は口が立つ人間だ、という立場から、それで理屈をこね、自分が勝つのはおかしいと思っていた、という、自分自身の振り返りを通じ、わかりやすく語られているところです。

 

なお、心理学の研究では、ビジュアル、つまり視覚と、言語の、個人の中でのあり方は、どちらも得意な人もいれば、どちらもそこまで感受しないことでうまく生きている人もいれば、どちらかが突出して高い人もいることがわかっています。

この研究成果は、文章で得た情報ではないのでここで参照できませんが、先の鈴木大拙の言葉にあった、分別しない=二分法で考えない、という立場からも、ビジュアルVS言語という単純な対立ではないのだ、ということも大切なところです。

 

ちなみに、眠るときにみる夢は(原則)ビジュアルで、それを他者に語り共有することは、視覚と言語双方の領域を往還する、新たな道をつくる作業でもあります。

それを、安全に閉じた場でおこなうことが、当室では行えます。

 

◎言葉にできないこと

https://casabrutus.com/categories/culture/406120

 

禅の「不立文字」について、日常の言葉で短く説明されています。

 

言葉にできないことを、言葉にできた。

という瞬間の大切さが取り上げられる背景には、核となる作業として、こころからこころへと伝わるような、非言語の領域が存在しています。

この領域の作業は、言葉にならないという性質上、曰く言い難いものではありますが、「伝わる」という現象が、わかったり、わかられたり、なにか共有される経験が、薄く薄く、ズレていても、何枚も何枚も積み重なることで、徐々に人は楽になることが可能なようです。

 

参考:不立文字の解説 - 三省堂 新明解四字熟語辞典

ふりゅう-もんじ【不立文字】

 

悟りは文字や言葉によることなく、修行を積んで、心から心へ伝えるものだということ。悟りは言葉で表せるものではないから、言葉や文字にとらわれてはいけないということ。▽禅宗の基本的立場を示した語。「文字もんじを立たてず」と訓読する(https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%B8%8D%E7%AB%8B%E6%96%87%E5%AD%97/